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遺産争いが生じたら! よくある事例や対応方法を弁護士がご紹介

2020年08月04日
  • 遺産分割協議
  • 遺産
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遺産争いが生じたら! よくある事例や対応方法を弁護士がご紹介

遺産に関するトラブルは、誰もが巻き込まれる可能性のあるものなので、いつかその当事者になることがあるかもしれません。
たとえば、子どもが複数いる親が亡くなった場合に、今まで仲がよかった子ども同士であっても、遺産を巡って揉め、関係が悪化することもあります。
愛知県において、平成26年から平成27年にお亡くなりになった方は3万7000名程度いることから、身近で数多くの相続が発生している状況といえます。
遺産分割が円満に済むことがなによりですが、もし、遺産分割を巡って相続人間でもめてしまった場合にはどうすればいいのか、あらかじめ手順を把握しておきましょう。

1、遺産争いは増えている

遺産分割をめぐる紛争は、年々増加しています。平成10年から平成30年までの家庭裁判所の、遺産分割調停及び遺産分割審判の新受件数についての統計によると、平成10年は1万302件、平成20年は1万2879件、平成30年は1万5706件となっており、増加の一途をたどっています。

このように、遺産分割についての紛争が増加している背景には、高齢化社会における死亡者数の増加や相続人の権利意識の高まりがあると考えられています。
また、家庭裁判所の統計によると、遺産分割協議事件について、弁護士が相続人の代理人として関与する件数も増加傾向にあります。弁護士が相続人の代理人となった遺産分割事件の割合は、平成20年には61.2%だったものが、平成30年には79.7%にも上っています。

かつては、遺産分割事件は、相続税の申告や相続登記に伴う付随業務として認識される傾向にありましたが、紛争内容の複雑化に伴い、当事者だけでは解決できないことが多くなり。弁護士に相談し、依頼をするというケースが増加していると考えられます。

2、遺産争いのよくあるトラブルと対処法

  1. (1)何が遺産に含まれるかでトラブルに

    ある財産が、遺産であるか否かについて争いが起こる場合があります。たとえば、財産の名義は被相続人になっているが、実際にはある相続人の個人的な財産であるといった主張がなされる場合のことです。

    上記のように、遺産の範囲に争いがある場合、遺産分割審判手続によって、遺産の範囲に関する審理判断を求めることも可能ですが、この判断は、のちに民事訴訟で覆される可能性があります。そのため、遺産の範囲の確定について当事者で意見を一致させることが難しく、強く争っているような場合には、特定の財産が遺産に含まれることの確定を求める民事訴訟を提起する方法によるべきでしょう。

  2. (2)遺産の評価の仕方が問題に

    遺産分割は、総財産を各相続人の相続分に応じて分ける手続なので、それぞれの相続人の方が得た財産をお金に換えたときに、それぞれの相続人の相続分と等しくなって初めて相続人全員が納得することになります。

    もっとも、財産によっては一義的にその評価額を明らかにすることが難しく、相続人の間で揉めてしまう場合があります。その最たるものが、不動産です。
    一般的に不動産の価格は、時価、固定資産評価額、路線価などを基準に算定されます。このように、複数の評価基準があり、採用する評価方法によって評価額が大きく変わります。そのため、相続人の間で意見が対立しやすいのです。

    不動産の評価額について相続人の間に争いがあるような場合や、専門的知識、経験を有する者でなければ算定が難しい場合は、不動産鑑定士などに鑑定してもらうことが必要となります。

  3. (3)一部の相続人による遺産の処分

    遺産分割前の遺産は、複数人の相続人がある場合には相続人全員での共有状態にすぎないため、他の相続人の同意なく各相続人が単独で、売却等の処分をすることは、他の相続人の権利を侵害することとなります。ただし、判例では、遺産を複数人の相続人で共同相続した場合に、遺産分割前でもそれぞれの共有持分を処分することは可能としています。(最高裁判例昭和50年11月7日より)処分した財産は遺産から外れ、遺産分割の対象とはならないと裁判所は判断しています。

    しかし、上記を前提とすると、一部の遺産を処分した相続人は、改めて残りの遺産を相続できるため、実際の相続分よりも多く遺産を獲得できてしまう場合があり、そのような場合には他の相続人との公平さが失われてしまいます。そこで、民法改正により、次の規定が設けられました(令和元年7月から施行されています)。

    【民法906条の2 第1項】
    遺産の分割前に遺産に属する財産が処分された場合であっても、共同相続人は、その全員の同意により、当該処分された財産が分割時に遺産として存在するものとみなすことができる。


    つまり、相続人の誰かが遺産を勝手に処分したとしても、処分した相続人以外の相続人が同意すれば、その処分された遺産がまだ遺産として残っていることを前提に遺産分割ができるということになったのです。

  4. (4)遺留分を侵害する遺言がある場合

    遺留分とは、被相続人(亡くなった人のこと)の遺贈および贈与の自由を制限して、一定の相続人のため取り置くことが保証された、相続財産の一部のことです。

    被相続人は、自分の財産を死後どう処分するか自由に決められるのが原則です。しかし、近親者には、財産を相続できるかもしれないという期待や、被相続人が亡くなった後どう生活を維持していくのかという不安もあります。そこで、相続財産の一定部分を、一定範囲の遺族のために取りおくのが遺留分の制度です。

    上記のとおり、遺留分によって相続財産の一部は一定の相続人のために取っておかれるため、遺言書で相続人の遺留分を侵害すれば、それは無効になるのではないかと考えられます。しかし遺留分を侵害しているという理由で、遺言書が無効となることはありません。遺留分を主張する場合、あくまで、その遺言書の効力は発生していることを前提に、遺産をもらいすぎている人から、遺留分相当の財産を取り返す、という流れになります。

3、遺産争いに対して弁護士ができること

遺産分割事件については、ご依頼者の方が相続人や相続財産について完全に把握しているということは多くありません。

遺産分割をするためには、その調査が必要となりますが、それは容易なことではありません。たとえば、相続人が誰かを調べるために、戸籍をさかのぼって調べたり、相続財産の評価を調べるために査定等を取り寄せたりする必要があります。また、遺言書が存在する場合には、その有効性や、遺留分侵害等の問題を検討する必要があります。弁護士に遺産分割手続を依頼した場合、弁護士がこれらの調査を行うので、調査の手間を大幅に省くことができます。

また、遺産分割協議事件の場合、対立する相手は親族であることが多く、心情的なもつれがあり、それゆえに遺産分割協議が進まないという場合があります。当事者同士で直接やり取りをしていると、どうしても感情が高ぶってしまい、合理的な話ができないという場合にも、弁護士に依頼することをおすすめします。第三者が間に入ることで、冷静に話し合いを進めやすくなるでしょう。

もし、遺産分割協議が交渉でまとまらず、後述のような調停や訴訟に進むとしても、弁護士はそれらの手続について十分な知識を持っていますので、見通しや戦略について、アドバイスを受けることができます。

4、遺産争いの解決の流れ

遺産分割協議については、一般的には次の手順で解決していきます。

  1. (1)交渉

    まず、裁判所を介さずに、話し合いで遺産分割協議が可能かを検討します。
    現物での分割が難しい場合などは、弁護士が換価のサポートをして、お金で分けることによりスムーズに進むこともあります。交渉で遺産分割協議がまとまった場合には、協議の内容を証明するために、遺産分割協議書を作成します。弁護士にご依頼されている場合には、弁護士が協議書を作成し、相続人全員からの署名・押印をもらいます。

    このとき、連絡がつかない、話をしようとしないなどの理由で交渉にまったく応じない相続人がいる場合には、遺産分割協議ができませんので、調停に進むことになります(一部の相続人だけで取り決めた遺産分割協議は無効です)。

  2. (2)調停・審判

    遺産分割について、相続人の間で話がまとまらないときや、そもそも音信不通などで話し合いをすることができない場合には、相続人は遺産分割を管轄の家庭裁判所に対して請求することができます。
    調停とは、家庭裁判所の裁判官および調停委員の関与のもと、当事者の話し合いによって紛争を解決する手続です。調停において当事者間に合意が成立し、これを調停調書に記載したときには、調停成立となります。
    審判は、調停と異なり話し合いではなく、当事者の主張と資料をもとに、裁判所が判断を下す手続です。審判のイメージとしては、裁判に近いです。

    遺産分割事件は、調停として申し立てることも、審判として申し立てることもできます。ただし、審判事件として申し立てられた遺産分割事件は、裁判官が話し合い、すなわち調停を試みることが妥当だと判断した場合には、裁判官の職権で調停として手続が進められることになります。また、遺産分割事件の調停がまとまらなかった場合には、何らの手続を要せず審判手続に移ります。

    遺産分割審判の内容に不服がある場合には、審判の告知を受けた日の翌日から起算して2週間以内に不服申立て(即時抗告といいます)をする必要があります。

5、まとめ

遺産争いは、以上のように多岐にわたる争点を抱える紛争です。また、感情の対立も含めた相続人間におけるさまざまな問題が絡み合い、紛糾する傾向があります。遺産を巡ってトラブルになりそうだ、と感じた場合には、こじれてしまう前にベリーベスト法律事務所にご相談ください。相続の問題について経験豊富な弁護士が全力でサポートいたします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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